フェアリーテイル 第512話 感想
第512話「白影竜のスティング」
ローグの影を喰い、白影竜となったスティング。
その魔力は格段に上がったが、それでもラーケイドにとっては、
「君ごときは初めから眼中にない」
ラーケイドの標的・・・魂を浄化する対象としているのはナツだけだからだ。
そんなナツを慕うスティングにとって、ラーケイドは邪魔な存在。
ここで決着をつけるべく、二人は再び拳を交え始めた。
白と影、二つの魔力を併せ持つ白影竜スティング。
スティングの白がラーケイドの白い魔法を相殺し、ローグの影が攻撃を担う。
「そして二人の力が合わされば!」
数倍にも膨れ上がったその力でスティングは圧倒する。
しかし、ラーケイドには切り札とも言える魔法があった。
“最後の欲”。
「永遠なる眠りを!R・I・P-レスト・イン・ピース-!!」
ラーケイドの発言通り、それは相手を深い眠りへと誘う魔法だ。
しかも目を閉じたが最後、それが再び開かれることはない。
人間は欲には逆らえないものだ、あのアクノロギアでさえも。
「故に私こそがアクノロギアにも勝ちうる究極の魔導士」
眠るわけにはいかないと、スティングは自らの体を傷つけ正気を保とうと試みる。
だがそれも限界・・・。
手は止まり、もはや抗う気力すら失われ始めてしまった。
「スティング、影に入れ・・・」
そんな彼を見兼ね、ローグは現状で唯一対抗しうる方法を提案。
影の中では全ての感覚が研ぎ澄まされるため、一瞬でも眠気は飛ぶはずなのだと。
「重力を感じろ。足と大地が一体化するほどに・・・」
しかしスティングにとっては初めて操る影の魔力だ。
重力を感じろというローグのアドバイスを聞いても、すんなりと上手くいくわけがなかった。
「重力なら私が・・・」
戸惑うスティングに手を差し伸べたのはカグラ。
重力を操る魔法でスティングを影の中へと引きずり落とすのだった。
影の中。
研ぎ澄まされる感覚を実感しつつ、スティングはラーケイドへと襲いかかる。
「これがオレとローグとカグラさんの合体技だ!」
白影竜の絁。
糸のように細く変化した白と影の魔力が、ラーケイドの体を捉えるのだった。
白影竜スティングvsラーケイド、決着。
決め技はやはり白影竜の絁。
必殺技というか、決め技として完全に定着した感がある。
これ、力で捻じ伏せるのではなく、仕留める~って感じの技で格好良い、好き。
(自称)究極の魔導士ラーケイド。
アクノロギアにも勝てると言われていたのは、逆らうことの出来ない“欲”に付け込むつもりだったからなのか。
人類の三大欲・・・食欲・性欲・睡眠欲・・・そんなものはノッセンキュッ!
それを突かれたらアクノロギアですら抗うことは出来ない・・・!
しかしアクノロギアどころか、ナツと戦う前に敗れてしまったラーケイド。
だけどこれで終わるのか?
だってさ、第509話のラスト。
「陛下の子。倒せるとしたらそれは母だけかもしれぬな」
というオーガストのセリフは何だったのさって話になるじゃない。
ラーケイドにはまだ何か役割が、出番があるんじゃないのか。
ナツは未だ自らの心の中にいた。
“体の中にあるものの正体”。
その場所へと導く存在は、スティングではなくローグへと変わっていた。
ゼレフにスティングにローグ・・・次々と変わる案内役に戸惑うナツをさほど構わず、ローグは疑問を投げかける。
ナツが首に巻く、イグニールの鱗で出来たマフラー。
だがイグニールの鱗は赤いはずなのに、何故白いのか?
ナツでさえこれまで一度も疑問に思わなかった、赤い鱗が白に変化したその理由。
「竜鱗は竜の体を離れると色素が薄くなる」
ローグはその答えを知っていたが、しかし彼が真に言いたいのはそんなことではなかった。
「色素の薄くなった竜鱗は人間の手でも触れる事ができるのだ」
そもそも巨体のイグニールが、人間サイズのマフラーを器用に編めるわけがない。
「おまえのマフラーを編んでくれたのはアンナという女性だ」
少しずつ蘇るナツの記憶。
「似てるよね、君の友達に・・・」
ローグの姿は消え、ナツの前には再びゼレフが現れる。
そしてゼレフの言う通り、アンナという名の女性は何故かルーシィそっくりの容姿だった。
眠り続けるナツ。
一時も目を離さず経過を見守るポーリュシカは、その症状の悪化に気を緩める暇が無い。
体温の低下。
それを何とかして止める最後の手段は、人肌であたためることだ。
「ルーシィ、服を脱ぎな」
人の温もり・・・想い・・・。
もはや奇跡を信じる以外にない。
「ゼレフは・・・オレが・・・倒す」
眠ったままであってもその目的を忘れず、うわごととして呟くナツ。
そんなナツに、ハッピーの気力は限界を迎えていた。
「もうやめようよナツぅ・・・ゼレフを倒したらナツまで死んじゃうでしょ」
泣き出すハッピー。
ルーシィたちはついに、ナツとゼレフとの関係を知ることとなった。
ナツのマフラーの秘密。
確かにそうだな!
イグニールは赤い体のドラゴンだから、白いマフラーはおかしいよな!
巨体なイグニールがちまちま器用にマフラー編めるわけないよな!
想像したら可愛いけどな!
ではマフラーを編んだのは誰だったのかっていうと、ここでアンナが出てくるわけだ。
400年前にエクリプスの扉を開き、ナツたち滅竜魔導士を現代へと送り出した星霊魔導士。
そしてルーシィに似ているのは当然だ。
ハートフィリアの姓を持つ、ルーシィの先祖であるってのは第468話で明らかになっている。
イグニールとも知り合いだったのだろうし、ナツのためにマフラーを編んだのだろう。
そんな彼女の血を継ぐルーシィがナツと出会ったのって、やっぱり運命を感じる。
次回のサブタイ。
第513話「花マル」
これは話の内容が想像出来ないサブタイだ。
楽しみに待っていよう。